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相続税の対象となる財産とは?
相続税を正しく算出するためには、まず相続税の対象となる財産とそうでない財産について知っておく必要があります。
本記事では、相続財産の中でも特に相続税の対象となる4つの財産について解説します。
①金銭に見積もることができるすべての財産
相続税の対象となる財産は、「経済的価値が認められ、金銭に見積もることができるすべての財産」と定められています。
したがって、現金や預貯金の他、不動産や有価証券、宝石などの貴金属なども相続税の対象となります。
また、著作権や借地権、ゴルフ会員権などの権利も相続税の対象となる財産に含まれます。
ただし、金銭に見積ることが可能な財産のうち、「祭祀に関する財産」は相続税の対象にはなりません。
祭祀に関する財産には、たとえば、お墓、墓石、仏壇、仏具、神棚などが挙げられます。
なお、未払いの借金(債務)などマイナスの財産は、相続税の申告時に控除されます。
②相続開始前3年以内の贈与
相続開始前3年以内に贈与によって受け取った財産は、相続税の対象となります。
相続開始前3年以内の贈与に関しては、年間110万円の基礎控除以下であっても相続税の対象になります。
なお、2024年1月1日以降に贈与される財産に関しては、相続税の対象となる期間が段階的に7年まで延長されます。
③相続時精算課税制度による贈与
相続時精算課税制度による贈与で受け取った財産も相続税の対象となります。
ただし、2024年1月1日以降の贈与には年間110万円の基礎控除枠が設けられており、年間110万円の基礎控除額以下であれば相続税の対象になりません。
④生命保険金・死亡退職金
生命保険金や死亡退職金などは、民法上の相続財産には当たらないものの、相続税を算出する際には相続財産としてみなされて、相続税の対象になります。
ただし、相続人には「500万円×法定相続人の数」のまでは非課税枠があり、非課税枠分は相続税の対象になりません。
まとめ
本記事では相続税の対象となる財産について解説しましたが、実務的には、相続税の対象になるかならないかの判断が難しいケースも多々あります。課税対象となる相続財産の把握は、相続税を漏れなく申告するためにも非常に大切です。迷われた場合には、早めにSTCへご相談ください。